新しい教育課程の基準による「教育実践の実態調査報告書」
『新しい教育課程の基準による教育実践の実態調査』を実施し,このほど報告書を公表しました。 本調査は,新学習指導要領の実施状況をはじめ,現在進行中のさまざまな教育改革に対する学校現場や教師の受け止め方や意識について調査したものです。 結果は,学校で子どもの指導に直接当たっている教師はもとより,学校の教育活動を支援している教育委員会においても参考になります。
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調査の目的と方法
「新しい教育課程の基準による教育実践の実態調査」の実施に当たっては、総合初等教育研究所内に教育調査問題研究会を設定し、下記の目的と方法に基づいて、調査問題の作成・実施・考察を行い、報告書にまとめる作業を行った。
1 調査目的
新教育課程実施下において、各学校や教師を取り巻く教育環境や教育実践の実態について、教育内容や教育方法等に関する教師の意識を調査し、問題点や課題を検討するとともに、解決への方途を明らかにする。合わせて調査結果を取りまとめ、各学校や教育にかかわる方々に情報提供する。また、当研究所の今後の研究推進に活用する。
2 予備調査の実施
本調査を進める前に、調査内容や各項目の設問内容、回答の傾向等においての問題点などを精査するため、以下のように予備調査を実施した。
(1)実施時期
平成15年8月下旬〜9月上旬
(2)調査対象者
東京都及び岐阜県の公立小学校に勤務する教諭 107人
(3)調査方法
調査対象者宛に直接問題用紙を郵送し、アンケート方式で実施した。回答は、当研究所宛に直接返送(郵送)。
(4)調査結果の活用
教育調査問題研究会を開催し、予備調査の結果をもとに調査の内容・方法等について検討を加え、実施状況報告書を作成した。特に調査問題については、回答しにくい項目や質問の意図が理解しにくい項目、その他、問題数や調査全般にわたって、回答者の意見をもとに設問内容や選択肢の内容の見直しを行った。
<参考>予備調査での回答の所要時間分布
・30分以内………………34人 ・120分以内……………5人
・60分以内………………52人 ・180分以上……………2人
・90分以内………………5人 ・無回答……………9人
以上、予備調査を経て以下のように実施した。
3 調査項目
新教育課程改善のポイント、各学校・教師の現状、学校教育をめぐる課題などを踏まえるとともに、予備調査結果を参考にして、次の7つの項目を設定した。
<S>教育改革 <A>学力 <B>授業改善・指導方法 <C>評価 <D>家庭学習
<E>教師の指導力や教育観・指導観 <F>教師生活と取り巻く環境
4 調査時期
平成15年10月上旬〜同年11月下旬
5 調査対象者
当研究所が主催する「授業実践フォーラム」「教育セミナー」の参会者名簿、及び当研究所が発行する研究物の執筆者名簿から、国立・公立・私立の小学校に勤務する教師837人を抽出した。
<参考>調査対象地域
<北海道・東北>
北海道、山形、宮城、福島
<関東>
茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川
<北陸・東海>
富山、福井、岐阜、静岡、愛知、三重
<近畿>
滋賀、京都、大阪、兵庫、和歌山
<中国・四国・九州・沖縄>
岡山、広島、山口、鳥取、高知、香川、福岡、沖縄
6 調査方法
調査対象者の勤務する学校、または自宅宛に直接、調査問題用紙を郵送し、アンケート方式で実施した。回答は、当研究所宛に返送(郵送)。
7 回答者の状況
■ 回答者数
369人(回答率44.1%)
■ 回答者の分布
<地域別>北海道・東北…25人、関東…71人、北陸・東海…211人、
近畿…29人、中国・四国・九州・沖縄…33人
<男女別>男性…154人、女性…206人、無回答…9人
<年齢別>20代…14人、30代…82人、40代…180人、50代…83人、無回答…10人
8 調査結果の処理
回答が返信された受付順に、アンケートに記入された回答をデータベースに入力し、基礎集計データを作成した。項目ごとの相関からも実態が把握できるよう、クロス集計データを作成した。各項目の選択肢個々の回答率は、小数点第1位に統一した。また、記述での回答は、別途、記入様式に問題順に整理し、原文のままデータを作成した。(*基礎集計データは、本報告書の巻末に掲載した。)
この調査結果のデータに基づき本報告書を作成した。