「理科についての基礎的知識・技能」とは,子どもたちが生活していく上で最低限知っておきたい知識,物事を考える手だてになる知識,及び最低限身につけておきたい観察・実験技能のことである。
調査問題は,「知識A領域」(生物とその環境),「知識B領域」(物質とエネルギー),「知識C領域」(地球と宇宙),及び「技能」の4つの領域において,第3学年から第6学年理科で取り上げられる内容から,各学年の問題を作成した。各学年に関する問題は,それぞれ次のような内容を問う問題から構成した。
【調査問題3年】
【調査問題4年】
第4学年で取り扱う代表的な実験器具(アルコールランプ,検琉計)の使い方を問う問題
【調査問題5年】
物の溶け方(物質による溶け方の違い,水の温度と量による溶け方の違いなど)について問う問題 てこ及びふりこの働きを問う問題
天気の変化について問う問題 流水の働き(速さや量との関係)を問う問題
第5学年で取り扱う代表的な観察・実験器具(例えば,顕微鏡,上皿てんびん)の使い方及び実験操作を問う問題
【調査問題6年】
うすい塩酸と金属の反応について問う問題 燃焼前後の空気の成分変化,及び二酸化炭素の性質を問う問題 電磁石の極や電磁石を強くする方法について問う問題
地層や大地の変化について問う問題
第6学年で取り扱う代表的な実験器具(例えば,リトマス紙,気体検知管)の使い方を問う問題
(1) 実施の時期 平成20年2〜3月 調査時間は各学年それぞれ約30分
(2) 実施した対象学年 第3学年〜第6学年
(3) 実施校数及び児童数 実施した小学校8校,第3学年20学級638名,第4学年20学級614名,第5学年19学級621名,第6学年20学級533名,合計2,406名。
【表1】 問題別に見る正答率(全体)
単位:%
その学年で最も平均正答率が低かった領域 その学年で最も平均正答率が高かった領域
【表2】 学年の知識・技能別の見る正答率
その学年で最も平均正答率が高かった領域
【表3】 学年・領域別に見る正答率の児童の割合
第3学年から第6学年まで学年ごとの調査結果を,表1,表2及び表3のように再構成してみると,次のような点に気づくことができる。
全学年・領域を通して,基礎的知識・技能について,知っている児童と知らない児童が両極端に別れているということはない。
課題
【「理科についての基礎的知識・技能」の習得における課題】
【調査側の課題】
今回の調査から,自分たちの身のまわりの自然環境・事象について学び,理科についてもっと知ろう,知りたいと思う子どもたちが,科学分野のよりよい発展を担っていくといえる。
第3学年調査結果の分析・考察 【PDF(437KB)】 第4学年調査結果の分析・考察 【PDF(432KB)】 第5学年調査結果の分析・考察 【PDF(445KB)】 第6学年調査結果の分析・考察 【PDF(441KB)】